「あなたのため」という名の自己救済

とある日の「あるある」。

それ、本末転倒ですから!!

10年ほど前、
インドの孤児院にて

日本人の依頼で
フルーミール(無償の食事)を施した時

そこの理事長から聞いた話。

ある日
地元のインド人が、急ぎで

「15:05分から100人の子どもに食事を施したい」

との申し出があったと。

「その時間、子ども達は学校なのでムリ

それにウチにいる子どもは100人以上だ」

と断ったそう。

が、しかし
どうしてもその時間に施してほしい、と。

理事長は
一連の出来事を

唾を飛ばしながら声高に話す
その内容とは・・・

こんにちは。
ニュートラル・ナビゲーターの長山 恭子です。

昨今の
厳しい世の中で生き抜く現代人に

今、一番
必要とされる「生き方」のひとつとして

・利他
・助け合い
・思いやり

などをよく耳にします。

しかしてこの、
「助け合い」という甘美な言葉が

大きなクセモノで

やり方いかんでは

かえって
互いの足を引っ張ることになろうとは

10年前のわたしには
知る由(ヨシ)もありませんでした。

そう、この理事長の
言葉を聞くまでは。

「自己救済のために、孤児を利用するな!」

インドという国は宗教の国。

「宗教」という概念そのものが
多くの意味を含むも

少なくとも

「人助けしてナンボ」
という世界観があります。

その救済手段として

慈善、相互扶助、積徳

などが掲げられ
まことしやかに「利他」が行われます。

さらに
ヒトが占い師の下に行くと

「この悪い時期を乗り越えるために
積善(良いことをする)をしたらいい」

なんて言われようものなら・・・

一般的にみたら
哀れな孤児の下を訪れ

『自分が救われたい』ための施しをします。

こんな
見返りを求めた「条件」行為は

「利他という名の自己救済」

つまり
「自利」だと言うのです。

が、しかし

『やらぬ善より、やる偽善』

と言われるように

たとえ、はじめは
偽善行為だったとしても

「シンドラーのリスト」のように
気が付いたら

心から「人助け」に変わっていた
なんてこともあるので、

偽善そのものに
正邪はつけられませんね。

しかして、
ここの理事長の意向は

「もし、それを一回でも許したなら、

自利(エゴ)を隠して、
さも「善人」面(ヅラ)した

偽善者たちが群がってくるのさ。

そんなことしたら、利用される
子どもたちの尊厳が失われてしまう」

と。

どこで線引きするかの境界線は
各々の孤児院の「あり方」なのでしょう。

ひるがえって
焦点を日本に移すと

日本人特有の「情」、

この取り扱いによっては
インド人のケースと構造は同じになります。

困っているヒトを見ると放っておけない
つい手を差し伸べてしまう
胸が痛む

どれもみな
美談になりそうな話です。

しかして、その内実は・・・

インド人は「明らかな」自利
日本人は「隠れ」自利

表現こそ違えど
根本にある心は一緒で、

ひたすら「自分ゴト」なんです。

「目の前の大変そうな人を助けたい」

は、あくまで頭、思考での大義名分。

気づかない潜在意識とも言える
肚(ハラ)、本音は

「自分と重なり辛くて見ていられない」

から、何かしたい
衝動に駆られているだけです。

そう、あくまでも
自分の感情を落ち着かせるためです。

その証拠に

自分が、
「困ったらどうしよう」

と思わない分野の出来事に
遭遇しているヒトを見ても

心は動かないハズです。

たとえば
小さなお子さんを持つ母親が

会社が倒産するかもしれない
見ず知らずの社長さんをみても

応援はするも、心は痛まないが

他人様の子どもでも、
その子が事故に遭って重症だど聞くと、
胸が張り裂けそうになるものです。

逆に
会社の経営者は

他人の子どもが人間関係に苦しんでいても
アドバイスはするも、心は重くならず

他の経営者が資金繰りに悩んでいると
人ごとには思えないものです。

いいですか!

他者や現象を見て
「不安」な心が動くってコトは

す・べ・て

「自分」の未来を
心配してるに過ぎません。

これを認識したうえでの
人助けは大いに結構ですが

あくまでも
「自利」目的な、フェイク「利他」ですからね。

さらに

自他の区別がつかなくなると
ゲームにはまり込んで
抜け出せなくなるように

悲劇の連鎖になりかねません。

それには

身(行為)口(言葉)意(心)を

意識し、切り離して生きるトレーニング
をしていきましょう。

最大の自己救済は
「汝自身を知る」ことですから。

 

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